ゲーム開発で assets が決まらないのは、センス不足じゃなく設計不足かもしれない

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assets が決まらない時、つい `自分にセンスがないからだ` と考えがちです。でも実際には、ゲーム側の基準が決まっていないから絵が定まらないことも多い。今回はその視点で整理します。

ゲーム開発で assets が決まらない時、かなりの確率で `自分のセンスが足りないのでは` と考えてしまいます。見た目がしっくりこない。AI に出させても微妙に違う。自分で描いてもしっくりこない。そうなると、原因を `絵心` の方に寄せたくなる。でも最近は、それだけではないと思うようになりました。

前に書いた assets はゲーム設計の問題でもある という話の延長ですが、今回はもう少し踏み込んで、`決まらない原因` の方を見ています。assets が決まらないのは、センス不足というより、ゲーム側の前提がまだ設計されていないからかもしれない。そう考えると、今の詰まり方に少し説明がつきます。

この記事の要点

  • assets が決まらない時、原因は見た目のセンスだけではなく、ゲーム側の基準の曖昧さかもしれません。
  • プレイヤーのサイズ、当たり判定、距離感、画面密度、世界観の温度感が未決定だと assets も安定しません。
  • AI で出力しても、自作しても、設計が曖昧なら迷いは残りやすいです。
  • 先に決めるべきなのは、絵柄よりも `何を気持ちよく見せたいゲームなのか` の方です。

見た目で迷うと、全部センスの問題に見えやすい

assets が決まらない時は、表面上は `絵がしっくりこない` という形で現れます。だから、ついセンスの話に見えます。色が違う。線が違う。雰囲気が違う。確かにそこもあります。でも、何回出しても何回描いても決まらない時は、もっと手前に未決定が残っていることが多いです。

たとえば、主人公を小さく見せたいのか大きく見せたいのか。画面を詰めたいのか、余白を多くしたいのか。敵との距離感は近い方がいいのか、広めがいいのか。かわいくしたいのか、少し不穏にしたいのか。そういう設計が曖昧だと、当然 assets も定まりません。絵が悪いのではなく、判断基準がまだ足りていないだけです。

決まっていないのは絵柄ではなく、ゲームの基準かもしれない

自分が最近一番感じているのはここです。assets を決めるには、絵の上手さより先に、ゲーム側の数字や体験の基準が必要です。1 マスの大きさはどれくらいか。プレイヤーの当たり判定は見た目より小さいのか大きいのか。カメラ距離は近めか遠めか。UI は常に多く見せるのか、最小限にしたいのか。こういう基準がないと、描く側も出力する側も迷います。

つまり、assets が決まらないのは `いい絵が思いつかない` からではなく、`このゲームにとって何が正しいかがまだ決まっていない` からかもしれない。これはかなり大きい違いです。前者だと自分を責めやすいですが、後者なら設計へ戻れます。

AI で粘っても、自作しても、設計が曖昧なら散る

ここは正直かなり重要です。生成 AI を使えば、候補はたくさん出せます。でも、設計が曖昧なままだと、候補が増えるほど余計に迷うことがあります。どれもそれっぽい。でも決めきれない。これは AI の精度不足だけでなく、こちらの基準不足です。

逆に自分で描く場合も同じです。描けることと、決められることは別です。自分で描けば納得感が上がる場面はあるけれど、そもそも何を描くべきかが曖昧なら、手を動かしても散ります。だから `AI か自作か` の前に `何を固定してから assets を決めるか` を先に考えた方がいいです。

先に決めた方がいいのは、見た目より体験の基準

assets で迷う時に、先に言語化した方がいいものはいくつかあります。プレイヤーに気持ちよく感じてほしいのは、速さなのか、重さなのか、かわいさなのか、不穏さなのか。画面を見た瞬間に伝えたいのは、安心なのか、緊張なのか。ここが定まると、絵柄の選び方も少し変わります。

さらに実務的に言えば、プレイヤーのサイズ、ジャンプや移動の距離、敵との接触幅、UI の常設量。このあたりを先に仮決めした方が assets は決まりやすいです。見た目の完成度より、ゲームの骨格を先に置く。そうすると `この素材は綺麗だけどゲームに合っていない` と判断しやすくなります。

センスの問題に見える時ほど、設計に戻った方がいい

もちろん、最終的には見た目の好みも大事です。センスが一切関係ないとは思いません。ただ、assets が決まらない時に毎回 `自分にセンスがないからだ` へ行ってしまうと、戻る場所がなくなります。そこから進むのはかなり苦しいです。

だから今の自分は、迷った時ほど設計に戻る方がいいと思っています。このゲームで何を感じさせたいのか。サイズ感はどうあるべきか。当たり判定はどう切るべきか。そこが見えると、assets の判断も少しずつまとまります。決まらないのはセンス不足ではなく、まだ設計で決めることが残っているだけかもしれません。

よくある質問

assets が決まらないのは本当にセンス不足ではないのですか?

もちろん見た目の好みは関係しますが、それ以前にサイズ感、当たり判定、カメラ距離、世界観の方向性が未決定だと assets は安定しません。

どんな設計が決まっていないと assets は迷いやすいですか?

プレイヤーの大きさ、1 マスの基準、敵との距離、UI の密度、世界観の温度感などです。これらが曖昧だと絵の判断もぶれやすいです。

AI で仮素材を出しても迷いは解決しますか?

方向性の探索には役立ちますが、設計が曖昧なままだと出力も散りやすいです。仮素材を置く前に、ゲーム側の基準を少し決めておく方が安定します。